2012年09月01日

続・赤福氷。

汗みずくになってたどりついた伊勢神宮内宮で、

厳粛な気持ちで柏手を打ってお参りしたあとは、

念願の「赤福氷」に向かってひろいひろい杉木立の中を

元来たほうへ戻って行きました。





五十鈴川の水面はそれはそれは涼しげな流れで、

炎天下、飛び込みたい衝動にかられながら(飛び込んだら内宮の人にたぶん

ものすごく怒られます)しばらくボー然と眺めた後、

鳥居を抜けてお土産物屋が並ぶ参道のすぐとっかかりに

赤福、のお店がありました。

有名な切妻屋根の赤福本店は、ここからさらに数百メートル先で、





ここは「内宮前支店」と呼ばれているようです。

杉木立の脇を通る道に面したお店の中にも外にもたくさんの畳敷きの椅子が並べられ、

100人以上の人が人が腰かけています。





念願の赤福氷、を注文すべくお茶を注いで回っている高校生くらいの

アルバイトらしき女の子に声をかけると、レジに行って注文を、とのこと。

お店の奥の杉木立沿いにレジがあって、そこで躊躇なく「赤福氷」と申告しました。

すると、赤福氷・15と書かれたプラスチックの札を渡されました。





「出来上がったらお呼びしますので」。レジのおねいさんは言いました。

これはフードコートなどによくあるパターンです、

「どこへでもお掛けになって」。おねいさんは言いました。

赤福氷15番の長椅子があるわけではなくて、どこへでもどうぞと言われても

100人、いやへたをすると200人は座っている赤福氷待機、のひとびとの中から

どうやって15番を見つけるのでしょう。

相変わらず冷たいお茶を注いでくるくる立ち働いているバイトの女の子に

「15番てどうやって・・・」と尋ねかけると間髪おかず

「お呼びしますから」とすげない返事で、これはもうお呼びいただくまで待つしかありません。


やがて奥の厨房らしきところから、お盆にかき氷を3つ載せた

往年の山田スミ子に似たおねいさんが現れました。

そして、、「こおり3番のかたあ~」

と、絶叫、とまではいかないまでも大音声で三々五々散っている氷待機、のひとびとに

呼びかけました。

あちこちの長椅子から手が上がり、プラスチックの札と引き換えに、かき氷を受け取っています。

やはりフードコートと同じシステムだったんですね。

やがて数分もすると「4番のかたあ~」と、また同じおねいさんが絶叫しています。

あちらこちらで手が上がります。

「5番のかたあ~」道を挟んですぐ前の女の子がうれしそうに手を挙げました。

かき氷を受け取っています。


おねいさんの声がよく通る、のはもちろんですが

これが居酒屋であれば絶対無理であろうなあ、と思いました。

100人200人も入れば話し声や笑い声にかき消されて

ご注文の品、を届けることはできないでしょう。

でもここは伊勢神宮、であり、猛暑、でもあり、お参りを先に済ませて

皆ぐったりであり、息もたえだえであり、と

おねいさんに有利な状況が揃っています。

野太い、失礼。よくとおる声で、自分の札の番号を呼ばれると

皆ひこひこと手を上げ、山田スミ子のおねいさんを天使の使いのように崇め

ありがたくかき氷を押し頂いています。


おねいさんは今、10番のコールをしました。

なかなか私の番がやってきません。

どうやらかき氷の機械は3台で、常にお盆には3つの氷が乗せられてきます。

車を降りる際に飲んだ生ぬるいコーヒーが最後の水気だったので

モーレツにのどが渇いて、タダでもらえるお茶を何回も、何回もおかわりしているうち、

ようやく「15番のかたあ~」という声が。

そして、目の前に念願の「赤福氷」が運ばれてきました。

今ようやっと念願かなって、赤福のお氷様が目の前に。





フツーの抹茶かき氷です。

しかし、氷のスライス具合が薄い薄い! 口に入れると、一瞬に冷たい水となって胃の腑に落ちてゆきます。

かき氷には特に造詣が深いわけでもなく、ジカに掻いたホンモノの「かき氷」は、

30有余年も昔、秋葉山の県立プールの前のお菓子屋で食べたのが最後で

後はコンビニのカップかき氷しか知らない私は

泡雪のように溶ける赤福の氷に、しばし恍惚と目を閉じました。


結局これをわしわしと食べ進んでいくと

中からゴルフボール大のあんこ、が顔を出すわけで

本来それをパシャリ、と撮らなければならないのに

かき氷を頭からかぶるイキオイで完食してしまい、気づいたら器は空で

絵的には赤福氷の何たるか、をお伝えすることができませんでした。


氷の中のあんこ、には赤福餅がそのまま入っているのかと思いましたがそうではなくて

程よく濾された粒あんと、白玉が2つ3つ。


名物に うまいものあり 赤福氷

一年でいちばん暑い日に、ぜひ。icon01





















  


Posted by チャームサロンカワサキ&フェイシャルクラブ at 22:04Comments(0)せんむのブログ