2012年09月18日
ツクツクの長い夏。
おおきな台風が九州の西をかすめて過ぎ去っていきました。
こっちにこなくて良かったですね
ツクツクホウシがまだ鳴いています。
クマゼミの声が途絶え、ツクツクになってしばらく経ちます。
ツクツクが聞こえてきたらしばらくすると秋、と感じていたのはいつの頃だったのでしょう。

今日も、暑い暑い。
ツクツクホウシの勢力が未だ衰えません。
このまま10月になっても11月になっても、
ツクツクが鳴き続けていたら嫌だなあ、とまあそんなことはありえないと思うのですが、
私はどうもあの、ツクツクホウシの鳴き声が苦手です。
クマゼミはただもうシャワシャワとうるさいだけで、
そのうち気にならなくなります。
クマゼミの声がうるさくて仕事にならん、とか
クマゼミの声のせいでイラついてきのくに信用金庫に押し入った、
などということは聞いたこともありません。
松尾芭蕉の名句で、「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」というのがありますが
聞きすごしているうちに、今ならビルやら何やらに“しみいって”しまうのか、
本当に気にならなくなります。
ところがツクツクホウシは、そうはいきません。
ツクツクホウシ、のそうはいかないところは、あの思わせぶりな「鳴き方」にあるのだと思います。
まず、最初、「ホゥーシ。」と、鳴きます。
これで辺りの様子をうかがうようにして、大丈夫だとわかれば、
一呼吸おいて、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、と、繰り返すようになります。
そして、だんだんだんだん、ツクツクホーシのスピードを、速めていきます。
鬼太鼓座の太鼓がクライマックスへ向かって打ち鳴らすスピードを速めるように、
ツクツクホーシもツクツクの鳴き声のスピードを速めていきます。
もう、おそらく鳴いているほうとしては一心不乱、というか感極まったというか、
猛烈に気持ちよさげ、なことだけは確かです。
そして、いよいよクライマックスなんでしょうかエクスタシーなんでしょうか、
ツクツクはさらに変調し、
「ツクシーオー」などと言います。
この変調に、意表を突かれます。
盲目の津軽三味線師の玉の汗を掻きながらのバチさばき、のようです。
これを何回か繰り返して、やがて恍惚として、ジィィィィっと消え入るように鳴いて、鳴きやみます。
おそらく、あまりの気持ちの良さに半ば失神、しているんだと思います。
クマゼミでもミンミンでも、みんな同じ一定のリズムを繰り返すので、
気にならないんです。芭蕉が一句詠むほどの風物詩にさえなるんです。
芭蕉もたぶん、ミンミンあたりで一句詠んだに違いありません。
それに比べて、ツクツクホウシのこのごちゃごちゃと込み入った鳴き方。
山の中などで大勢のツクツクが鳴いている分には問題が無いんです。
一匹だけ。
独唱。
これが耳について仕様がないのです。
ツクツクホウシにお願いできるなら、まずあの最初の思わせぶりな「ホゥーシ」、を止めていただきたい。
さあ、鳴きまっせ。みたいな感満載なので、止めていただきたい。
そして、そのあとの、ツクツクホウシ、のリフレインの回数、これをきっちり決めてほしい。
5回なら5回、10回でもかまわないので、きっちりしてほしい。
感極まって「ツクシーオ」と、言いたければ言ってもかまわないので、どこら辺でツクシーオに変わるのか、
それをはっきりしてもらいたいと思うのです。
どうもこの変調がきになって仕様がないのです。
私の家は山の際にあるので、よく窓に一匹だけやってきて
ホゥーシ。と始めるので余計そのようにツクツクを意識するのでしょうか。
いつまで経っても終わらない夏。
明日も、ツクツクホウシの声が目覚まし替わりです
。
こっちにこなくて良かったですね

ツクツクホウシがまだ鳴いています。
クマゼミの声が途絶え、ツクツクになってしばらく経ちます。
ツクツクが聞こえてきたらしばらくすると秋、と感じていたのはいつの頃だったのでしょう。

今日も、暑い暑い。
ツクツクホウシの勢力が未だ衰えません。
このまま10月になっても11月になっても、
ツクツクが鳴き続けていたら嫌だなあ、とまあそんなことはありえないと思うのですが、
私はどうもあの、ツクツクホウシの鳴き声が苦手です。
クマゼミはただもうシャワシャワとうるさいだけで、
そのうち気にならなくなります。
クマゼミの声がうるさくて仕事にならん、とか
クマゼミの声のせいでイラついてきのくに信用金庫に押し入った、
などということは聞いたこともありません。
松尾芭蕉の名句で、「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」というのがありますが
聞きすごしているうちに、今ならビルやら何やらに“しみいって”しまうのか、
本当に気にならなくなります。
ところがツクツクホウシは、そうはいきません。
ツクツクホウシ、のそうはいかないところは、あの思わせぶりな「鳴き方」にあるのだと思います。
まず、最初、「ホゥーシ。」と、鳴きます。
これで辺りの様子をうかがうようにして、大丈夫だとわかれば、
一呼吸おいて、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、と、繰り返すようになります。
そして、だんだんだんだん、ツクツクホーシのスピードを、速めていきます。
鬼太鼓座の太鼓がクライマックスへ向かって打ち鳴らすスピードを速めるように、
ツクツクホーシもツクツクの鳴き声のスピードを速めていきます。
もう、おそらく鳴いているほうとしては一心不乱、というか感極まったというか、
猛烈に気持ちよさげ、なことだけは確かです。
そして、いよいよクライマックスなんでしょうかエクスタシーなんでしょうか、
ツクツクはさらに変調し、
「ツクシーオー」などと言います。
この変調に、意表を突かれます。
盲目の津軽三味線師の玉の汗を掻きながらのバチさばき、のようです。
これを何回か繰り返して、やがて恍惚として、ジィィィィっと消え入るように鳴いて、鳴きやみます。
おそらく、あまりの気持ちの良さに半ば失神、しているんだと思います。
クマゼミでもミンミンでも、みんな同じ一定のリズムを繰り返すので、
気にならないんです。芭蕉が一句詠むほどの風物詩にさえなるんです。
芭蕉もたぶん、ミンミンあたりで一句詠んだに違いありません。
それに比べて、ツクツクホウシのこのごちゃごちゃと込み入った鳴き方。
山の中などで大勢のツクツクが鳴いている分には問題が無いんです。
一匹だけ。
独唱。
これが耳について仕様がないのです。
ツクツクホウシにお願いできるなら、まずあの最初の思わせぶりな「ホゥーシ」、を止めていただきたい。
さあ、鳴きまっせ。みたいな感満載なので、止めていただきたい。
そして、そのあとの、ツクツクホウシ、のリフレインの回数、これをきっちり決めてほしい。
5回なら5回、10回でもかまわないので、きっちりしてほしい。
感極まって「ツクシーオ」と、言いたければ言ってもかまわないので、どこら辺でツクシーオに変わるのか、
それをはっきりしてもらいたいと思うのです。
どうもこの変調がきになって仕様がないのです。
私の家は山の際にあるので、よく窓に一匹だけやってきて
ホゥーシ。と始めるので余計そのようにツクツクを意識するのでしょうか。
いつまで経っても終わらない夏。
明日も、ツクツクホウシの声が目覚まし替わりです
